はじめに

プロテクティアの田中です。日常生活において、お茶は多くの人々に親しまれています。お茶は様々な成分で成り立っており、その中でも茶カテキンという成分が特に注目されています。我々プロテクティアはこの茶カテキンに着目し、その機能を飛躍的に高めたスーパーカテキン「カテプロテクト」を開発しました。このコラムでは、大阪大学発の新カテキン「カテプロテクト」の開発秘話についてお届けします。

茶カテキンの機能

まずは茶カテキンについて説明します。日本で古来から飲用されているお茶(日本茶)は、おいしさだけではなく、様々な健康効果が報告されています。茶葉の乾燥重量の中で約20%を占める豊富な成分が茶カテキンです。茶カテキンは、主に茶葉に含まれるポリフェノールの一種であり、特に緑茶に多く含まれています。主要な茶カテキンとしては、エピガロカテキンガレート(EGCG)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、カテキン(C)、およびガロカテキン(GC)が挙げられます。茶カテキンの中で特に注目されるのがEGCGで、その抗酸化作用や健康増進効果が多くの研究で示されています。

  • 抗酸化作用: 茶カテキンはビタミンCの4倍ともいわれる非常に強い抗酸化作用を持ち、活性酸素を中和することができます。活性酸素は細胞の酸化ストレスを引き起こし、老化やさまざまな病気の原因となる可能性がありますが、茶カテキンがその影響を軽減することができます。その結果、炎症やメラニン生成を抑制する機能が期待されます。
  • 抗菌抗ウイルス効果: 茶カテキンには抗菌作用があり、感染症や病気に対する抵抗力を向上させることができます。
  • 炎症の抑制: 茶カテキンは炎症を抑制する作用があります。特に慢性的な炎症が関与する疾患や症状に対して、茶カテキンが炎症の進行を抑えることが期待されています。
  • 脂肪燃焼の促進: 茶カテキンはカフェインと相まって代謝を活性化し、脂肪の燃焼を促進する効果があります。これにより、ダイエット効果などの目的で使用されています。

このように茶カテキンには様々な機能性が報告されており、安全性の高い機能性原料として期待されています。

カテプロテクトとは?

カテプロテクトの生みの親、開發博士はイギリス留学中に日本茶の茶殻にカビが生えてないことに気づき、茶殻の中にはなにか有用成分が入っているのでは?と考え研究をスタートいたしました。カテキンが持つ優れた生理活性をさらにパワーアップさせるにはどうすればいいのか?試行錯誤の末に、脂肪酸を結合させることでその効果を飛躍的に高める新規成分「カテプロテクト(CateProtect)」の開発に成功いたしました。その後大阪大学に研究拠点を移し、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)などの研究助成を受け、さらなる研究開発を行いました。その結果、カテプロテクトがインフルエンザウイルスをはじめとした様々なウイルスに対して高い不活化効果を有することや、黄色ブドウ球菌や大腸菌など20種を超える細菌・真菌類に対して増殖抑制効果を示すこと、さらにウイルスや細菌の外膜に対して効率的にアタックし、膜の構造を揺らがせる新たなメカニズムを明らかにしました。これらのすばらしい研究成果を実用化するために、大阪大学発ベンチャーとしてプロテクティアを設立いたしました。

カテプロテクトの優れた機能やプロテクティア設立後の秘話は次の機会に紹介します。

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